ホリスティック看護学は，“ひとの存在は，からだ（ボディ）［body］，こころ（マインド）［mind］，スピリット［spirit］を包括し，環境との関係のなかで生きているホリスティックな存在としてとらえてケアを提供すること”である．病気が治ること［curing］ではなくヒーリングすること［healing］を目的とし，身体ケアなどのdoing（やり方，行為）から，そばにいるなどのbeing（あり方，存在）へ目を向ける．また，病気や疾患のケアという視点から，全人格のウェルネスへと視点を変える．

法橋は，ヒーラーとしての修行を続ける人生の中で，自らスピリチュアルサッファリングを経験しながら，ホリスティック看護学の礎を築いてきた．ここで，サッファリング（苦悩）［suffering］は，“肉体的，精神的，社会的，スピリチュアル的な痛みで，抽象的な痛み”である．ペイン（苦痛）［pain］は，“肉体的な痛みで，実体のある痛み”である．したがって，たとえば，スピリチュアルペインはなく，スピリチュアルサッファリングという．

法橋は，ホリスティック看護学のメソッドを聴く薬，匂う薬，動く薬，読む薬，観る薬に分類し，具体的なメソッドを開発している．研究成果にもとづき，プライベートブランド商品も開発・販売している．法橋研究室は，2001年に設立後，世界の第一線で活躍し続け，人類の幸福と世界の平和への寄与を基本理念としている．意味のあるそして幸せな人生を送るために，ホリスティック看護学の開発を不断に進めている．

法橋尚宏